アドバイス

指摘を受けるのがあまり好きではないという気持ち、多くの人が共感するのではないでしょうか。他者からのアドバイスは、たとえ善意からくるものでも、時に自尊心を傷つけたり、押し付けられているように感じる事があります。

私は相手が求めていないのにアドバイスをすることは絶対にしません。上手く出来ないのですが、どうしたら良いですか?と来る人にしか伝わらないと思っています。

何か言われるの待ちの人は少なからずいますが、そういう人へのアドバイスも無駄になることが多い印象です。

私たちは他人から何かを言われるよりも、自らの内側から気づきを得ることを好みます。なぜなら、その気づきは自分自身の成長であり、確かな納得感を伴うからです。

上手にアドバイスする方法

このような心理を理解した上で、誰かにアドバイスをする際は、次の3点を意識するといいでしょう。

1. 質問を通じて相手の気づきを促す 直接的な解決策を提示するのではなく、「それについてどう思う?」や「次にどんなことを試してみたい?」といった、相手自身に考えさせるような問いかけをしてみましょう。

これにより、相手は自分で答えを見つけるプロセスを楽しむことができ、アドバイスが押し付けではなく、自己発見のきっかけになります。

【状況】 レシーブが安定しない後輩に対して。

【悪い例】 「レシーブが浅い!もっと前に詰めなきゃダメだ。」

【良い例】 「レシーブのとき、ラケットを構える位置はいつも意識しているかな? ほんの少し前に出すだけでも、その後の展開が楽になると思うよ。」

2. 自分の経験談として話す 「あなたもこうすべきだ」という命令形ではなく、「以前、私が似たような状況にいたとき、こんな風に考えてみたら少し楽になったよ」というように、一人称の語りで伝えてみましょう。これにより、相手は意見を柔軟に受け入れやすくなります。

【状況】 ドライブの打ち合いでなかなか勝てないチームメイトに対して。

【悪い例】 「ドライブが遅い。もっと速く打たないと。」

【良い例】 「ドライブが苦手で悩んでいた時期に、僕は『ラケットの面をシャトルに当てる瞬間に、グリップをキュッと握る』ことを意識するようにしてみたんだ。そうしたら、シャトルに力が伝わるようになって、スピードが上がった気がするんだ。もしよかったら、次の練習で試してみないか?」

3. 相手の感情に寄り添う アドバイスの前に、「それは大変だったね」「そう感じて当然だよ」といった共感の言葉を挟むことで、相手は「この人は自分のことを理解してくれている」と感じます。この信頼関係が、アドバイスをより効果的にします。 


【状況】 練習でなかなか上達せず、やる気を失っているように見える後輩に対して。

【悪い例】 「もっと練習量を増やさないと、うまくならないぞ。」

【良い例】 「最近、ずっと同じ課題に取り組んでいるのを見ていたよ。なかなか成果が出なくて、少し焦りを感じているんじゃないかな。でも、その一つ一つに向き合っている姿勢、本当にすごいと思う。何か力になれることがあれば、いつでも声をかけてね。」

近年では、AIを使えばある程度の模範は自分で調べられる時代です。だからこそ、アドバイスをする側も少しは調べておくべきでしょう。相手があなたの専門性そのものに憧れている場合は別ですが。

アドバイスとは、単に答えを与えることではありません。それは、相手が自分自身の答えを見つけ出す手助けをすることです。このことを心がけるだけで、あなたの言葉は相手にとってより価値あるものになるはずです。

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